履歴書と職務経歴書の違いとは?
転職をするにあたって、履歴書に加え職務経歴書の提出を求められるケースは少なくありません。そもそも、この2つの応募書類は何が違うのでしょうか。 また、企業にアピールできる職務経歴書の書き方も気になるところです。今回は履歴書と職務経歴書の違いについて説明していきましょう。
投稿日:2022年10月26日
目次
履歴書と職務経歴書の違い
履歴書と職務経歴書はどちらも採用・不採用の判断に用いられる「審査書類」ですので、慎重に作成する必要があります。ここでは、両者にどのような違いがあるのかをみていきましょう。
用途が違う
履歴書は企業の採用担当者が、応募者のプロフィールを確認して次の審査に進めるかを判断するものです。したがって応募者についての基本的な情報が、簡潔に記載されていることが求められます。
一方、職務経歴書は応募者の職務経験と実務能力を確認し、企業のニーズとマッチするかを照らし合わせて、採用の可否を判断するためのものです。
書く項目が違う
一般的に、履歴書では主に以下の項目について記入します。
- 日付
- 氏名
- 生年月日
- 現住所
- 連絡先(電話番号、メールアドレス)
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 志望動機、アピールポイントなど
- 趣味・特技
- 通勤時間
- 扶養家族数・配偶者など
- 本人希望記入欄
それに対して、職務経歴書では主に以下の項目について記入します。
- 氏名
- 応募職種
- 志望動機
- 免許・資格
- 学習歴・訓練歴
- 職務経歴
- 活かせる経験、知識、能力
- 自己PR
履歴書と職務経歴書でみられるポイント
履歴書と職務経歴書、それぞれで人事担当者にみられるポイントは次のとおりです。
【履歴書でみられるポイント】
- 学歴が応募先企業とマッチしているか
学歴は求人の応募資格に記載されています。それと合致しているかをみられます。
- 志望動機が応募先企業とマッチしているか
志望動機と、企業が求める人物像との間にギャップがないかをみられます。あまりに漠然とした志望動機は高評価には繋がらないでしょう。
- 希望給与とマッチするか
「本人希望記入欄」の希望給与額が、企業が提示する額とマッチするかもみられます。
【職務経歴書でみられるポイント】
- 応募先が求めるスキル、職務経験を持っているか
応募者が、企業が求めるスキルと職務経験を持っているかをみられます。これは職務経歴書の中でも最も入念にチェックされるポイントです。
- 仕事に意欲的か
志望動機や自己PRから、仕事に対する意欲や姿勢をみられます。
- 自分の能力を理解しているか
「活かせる経験、知識、能力」から、自己分析ができているか、自分の能力を客観的に把握できているかをみられます。
- 今までの実績
職務経験と合わせて、具体的な実績があるかもみられます。営業であれば売上目標と達成率などの数字データが記述されているかなどがポイントとなります。
- プレゼン・アピールする力を持っているか
自己PR欄を中心に、自分の強みを伝えるプレゼン能力、アピール力をみられます。文章表現に加えて、レイアウトがみやすいことなども重要です。職務経歴書は企業からの要請がない限り、パソコンで作成するのが一般的で、その構成、作成能力も問われます。
- 転職の目的が納得できるものか
「志望動機」に書かれている転職に至った経緯が納得できるものか、さらに転職することでどのようなキャリアを築こうとしているのか、といった点をみられます。
職務経歴書の書き方
以上を踏まえた上で職務経歴書をどう書くか、押さえておくべきポイントを説明します。
自分のキャリアを振り返る
これまでの職務経歴と、それによって身に付けたスキル・知識などをすべて網羅したシートを作成しましょう。自分のキャリアを振り返り、整理することで、どのキャリアとスキルがアピールポイントになるのかを明確化することができます。
企業のニーズとマッチする自分のキャリアを探る
実際に職務経歴書を作成する際は、上で作成したシートから応募先の企業ごとに必要なものを取捨選択して職務経歴書に反映していきます。企業のニーズとマッチする自分のキャリアは何かを考え、実際に職務経歴書に書く内容を吟味して構成することが重要です。
5W1Hを活用して自身の実績、スキルなどを分かりやすく書く
自分の実績やスキルについて説明する文章や、自己PRの文章は、「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」がしっかりと分かる表現になっていることが大切です。基本に忠実で、分かりやすい文章表現を心がけましょう。
長すぎる文章は良くないのでできる限り要約する
文章はなるべく短く簡潔に作成します。一文の中にあれもこれもと詰め込むのではなく、ほどよいところで文を切って、次の文に繋げる構成にしましょう。見出しを立てたり、箇条書きを使ったりして、読みやすくする工夫も必要です。修飾語も必要不可欠なものだけを使うようにすると分かりやすい文章になります。
職務経歴セクションは編年体式、逆編年体式、キャリア式を使い分ける
職務経歴を記す際は、自分のアピールしたいポイントに応じて、編年体式、逆編年体式、キャリア式のいずれかの形式を使い分けましょう。
編年体式とは、「平成○年4月」など年号を記し、時系列に沿って経歴内容を記述していくスタイルのことです。職務経歴の変遷が分かりやすい、オーソドックスな形式です。
逆編年体式は、時系列を現在から過去へと遡っていくスタイルのことです。現在のポジションやキャリアを真っ先にアピールできるというメリットがあります。即戦力を求められていて、現在のポジションやキャリアがそれに合致する場合に使用すると効果的でしょう。
キャリア式は、時系列ではなく、職務分野ごとに職務内容やスキルを整理して記述するスタイルです。技術職、専門職、転職回数が多い方の場合には、この形式が分かりやすくまとめられるでしょう。
応募書類として履歴書と職務経歴書の両方の提出を求められたときは、その違いを把握した上でそれぞれを作成するようにしましょう。特に職務経歴書は、随所に応募先企業へ自分のキャリアを分かりやすく伝えるための工夫をすることが求められます。
ジョブ・カードを活用することで、自己理解、仕事理解、職業経験の棚卸し、キャリア・プランの構築に繋がるので、より最適な職務経歴書が書けるようになります。さらに、ジョブ・カード自体が企業へのアピールにも繋がっていくので、まずはジョブ・カードの作成から始めて、最も自分に適した書き方を考えてみましょう。
(2018年4月1日作成)
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