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タレントマネジメントとは ~導入効果や具体的な活用例など~

近年「タレントマネジメント」という言葉が企業でよく使われるようになりました。社内人材の能力やスキルを伸ばし、組織の生産性向上などの効果が期待できると言われるタレントマネジメント。この記事では、タレントマネジメントの概要や導入が進む背景、導入することで得られる可能性がある効果、その際に活用できるジョブ・カードなどを紹介します。自身の組織を活性化させるため、ぜひ参考にしてください。

投稿日:2022年10月26日

目次

タレントマネジメントとは

タレントマネジメントとは、自社で働くワーカーそれぞれの資質や才能、スキルなどを引き出し、組織的な枠組みの中で戦略的にマネジメントすること、またはそれを行うシステムを指す言葉です。具体的には、採用や部署への配属、人材育成のための研修や教育、評価システムなどを体系立てて運用し、企業成長につなげます。

日本でタレントマネジメントが利用される背景には、少子高齢化による慢性的な労働力不足や、多様な人材に活躍してもらう「ダイバーシティ」の推進などが挙げられるでしょう。働き方改革の推進に伴う長時間労働の是正にも、生産性向上などの面でタレントマネジメントが有用とされたりもします。

今一度社内に目を向け、ワーカーがその固有スキルや能力をいかんなく発揮できるような環境を整えることで、企業や組織としてのパフォーマンスが維持・向上されると期待されています。

タレントマネジメントの目的

タレントマネジメントを導入する目的は、上記の通り「企業としての成長を促進すること」です。それに併せ、以下の目的も達成されるように運用されます。

人材の確保や育成、定着

企業になくてはならないのが「人」。この人材を確保して社内で育成し、定着させることで、企業や組織の成長を促します。

成果の最大化による生産性向上

社内人材が適切な部署や業務に配置されると、成果が上がりやすくなるといわれています。よって成果がより最大化され、結果として企業や組織全体の生産性が向上します。

タレントマネジメントを導入することで得られる効果

タレントマネジメントを導入すると、これまで把握できていなかった人材データ(各社員の実績や強み、性格や意欲など)が得られたり、これまで実施するのが難しかったアクション(人材配置の見直しや評価制度の刷新など)が実行しやすくなったりします。導入で期待される効果としては、主に5つ挙げられます。

  1. 社内人材の活性化
  2. 人材配置の最適化
  3. 組織の活性化、生産性向上
  4. 従業員満足度の向上
  5. 定着率・離職率の改善

まずタレントマネジメントによって、社内研修や1on1ミーティング(人材育成のために上司と部下で行う対話)など社内人材を育成できる環境が整うと、社内人材がこれまで以上に成長し、活性化しやすくなります。また包括的な人材戦略が実施されると、社内人材のもつ能力やスキル、将来の希望キャリアなどを考慮した人材配置も実現されます。よって「適材適所」が適う可能性が高まるのです。

こうして社内人材の活性化によって企業や組織全体が活性化されると、企業としての生産性も高まり、経営目標の実現により近づける可能性があります。

さらには社内人材に対して手厚いフォローや希望するキャリア形成の支援を行うことで、従業員満足度が高まり、社内人材の定着率向上・離職率の改善という結果も期待できるのです。

タレントマネジメントの活用例

タレントマネジメントを導入している企業が行う施策はさまざまです。どのような活用例があるか確認してみましょう。
(参考:株式会社プラスアルファ・コンサルティング「タレントパレットの導入事例」)

事例1.製造・小売業 A社の場合

家具の製造・小売業を営んでいるA社は、これまでの人事データ(人事評価の情報等)は紙かExcelのみが用いられ、業務効率が非常に悪かったそうです。しかしタレントマネジメントのシステムを導入してデータを一元化。可視化されたデータはプロジェクト立ち上げなどにも利用するようにしました。
業務効率化につながると共に、社内人材の評価やキャリア志向はもちろん、趣味や特技まで把握できるようになりました。その結果、各自のアイデアを拾いやすくなり、業績向上や社内人材の趣味を活かした商品開発に繋がっているようです。

事例2.金融業 B社の場合

B社は地域に基盤をもつ金融機関。経営戦略と人材戦略をより効果的に融合させるために、ITツールを用いてタレントマネジメントを実施しています。具体的には、社内人事の「見える化」のため、採用から育成、配置まで横断的に考える組織作りを行っています。その結果、社内人材がより生き生きと働ける環境ができ、顧客へのサービスを向上させる土壌が整いつつあるそうです。

タレントマネジメントに「ジョブ・カード」も活用できます

さっそくタレントマネジメントを始めてみようと思っても、高性能なクラウドツールなどにいきなり投資をするのは難しいかもしれません。

そんなときに活用できるのがジョブ・カードです。ジョブ・カードを使ってキャリアコンサルティングを実施することにより、社内人材や組織の活性化、従業員満足度の向上、職場定着促進など、タレントマネジメントで得られるような効果が期待できます。

社内人材に、ジョブ・カードの、様式2「職務経歴シート」、様式3-1「職業能力証明(免許・資格)シート」、様式3-2「職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート」を都度蓄積してもらい、定期的に様式1-1「キャリア・プランシート(就業経験がある方用)」を更新するように働きかけてみましょう。社員のスキルや希望の把握も可能になり、適材適所な人材配置にも活用できます。

キャリアは日々積み重ね変化していくものですが、マイジョブ・カードで電子的にジョブ・カードを作成すると継続的な更新がしやすくなるので、ぜひ活用しましょう。

ジョブ・カードは厚生労働省が定めた様式ですが、特に許諾などがなくても自由に利用できます。またマイジョブ・カードで作成することもでき、作成したジョブ・カードはExcelやPDFなどでダウンロードできるので、自社のタレントマネジメントの方法に合わせ無理なく導入できるでしょう(なお、ジョブ・カードは労働者本人が作成・管理するもので、ジョブ・カードの提出はあくまでも本人の同意を得る必要があります)。


タレントマネジメントは、包括的な人事戦略によって社内人材を活性化させ、企業の経営目標を達成するための手法です。社内人材を適切に把握・管理し、その能力や強みを引き出すことで、企業の成長を助けます。タレントマネジメントの実施にあたっては、ジョブ・カードも活用できます。まずは手軽な取り組みから始めてみてはいかがでしょうか。

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ジョブ・カードを作成しよう!

ジョブ・カードを作成することで、自分の強み・弱みや能力に気付くことができ、これまでの経験を踏まえた将来のキャリア・プランとそれに向かってやるべきことが描けるようになります。また、作成したジョブ・カードは就職活動や転職活動でも活用することができるようになります。
マイジョブ・カードのアカウント登録をすると、作成したジョブ・カードを保存し、いつでも修正することができます。
アカウント登録をして定期的にジョブ・カードの見直しや確認を行いましょう。

※アカウント登録後・ログインせずにジョブ・カードを作成した場合、保存するにはダウンロードしたうえ、アカウント登録・ログインしてアップロードする必要があります。

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