育児からの仕事復帰を目指すBさんのジョブ・カード作成体験レポート
これまでのキャリアやスキルを整理し、キャリア面談や転職活動などにも活用できるジョブ・カード。「マイジョブ・カード」のサイトでは、オンラインでジョブ・カードの作成もできるようになっています。今回は、育児などを理由に仕事を離れていたものの、これからの仕事復帰を目指すBさんに、実際にジョブ・カードを作成してもらい、その流れや作成時の気づきなどを教えてもらいました。
投稿日:2023年1月24日
目次
Bさんが現在のキャリアに対して抱える悩みは?
Bさんは5歳の子どもを持つ43歳の専業主婦です。結婚前は出版系の仕事をしていましたが、結婚後、夫の転勤の帯同に伴い退職。その後、一般事務として働くものの、再度の引越しに伴い退職されています。そして子供が生まれてからは、専業主婦として子育てに勤しんできました。しかし、昨年家を購入して今後引越しをする必要もなくなり、子どももそこまで手がかからなくなってきたため、仕事復帰するタイミングだと思ったそうです。Bさんは現状のキャリアに対してどのような課題や悩みを感じているのでしょうか。
「6年ほど仕事から離れており、年齢的なものもあって採用で不利になる部分もあるのかなというのがいちばんの心配事です。夫は仕事が忙しく、一人で家事と育児をこなさないといけないので、子どもの急な発熱や休校などに備えてリモートワークや時短勤務など、柔軟な働き方ができる制度のある職種、職場があるのかというのも心配ですね。家事育児との両立を考えて、平日週3日〜4日から働き始めて、将来的には週5日の勤務に増やしていけたらと思っています」
「6年ほど仕事から離れており、年齢的なものもあって採用で不利になる部分もあるのかなというのがいちばんの心配事です。夫は仕事が忙しく、一人で家事と育児をこなさないといけないので、子どもの急な発熱や休校などに備えてリモートワークや時短勤務など、柔軟な働き方ができる制度のある職種、職場があるのかというのも心配ですね。家事育児との両立を考えて、平日週3日〜4日から働き始めて、将来的には週5日の勤務に増やしていけたらと思っています」
マイジョブ・カードで、ジョブ・カードを作成してみた
ジョブ・カードにはいくつかの様式があります。Bさんは専業主婦から仕事復帰を目指しているので、「求職者の方へ」のページで「おすすめの作成ステップ」として紹介している、職務経歴シート(様式2)→職業能力証明シート(様式3-1、様式3―2)→キャリア・プラン作成補助シート※→キャリア・プランシート(様式1―1)の順でジョブ・カードを作成していくことにしました。
※キャリア・プラン作成補助シートは必須ではないため、スキップしても問題ありません。
マイジョブ・カードは、アカウント登録をしなくても利用することができます。しかしアカウント登録をしておけば、作成したジョブ・カードの情報をマイジョブ・カードに保存しておくことができるため、マイページからいつでも内容を編集したり、履歴書や職務経歴書などを自動作成することも可能です。
Bさんもまずはアカウントを作成し登録しました。
1.職務経歴シート(様式2)の作成
職務経歴シート(様式2)とは、今までの職務経歴を順に記入し経歴を可視化・整理するためのジョブ・カードです。職務経歴の順序は後で変更もできるので、数が多い場合でも記入しやすくなっています。Bさんは、まずは職務経歴シート(様式2)から作成を始めました。
「職務経歴シート(様式2)は、これまでの職場を思い出しながら楽しく記載できました。『職務の内容』はスムーズに記載できたのですが、『職務の中で学んだこと、得られた知識・技能等』は在職期間が短かった会社もあるので、迷いながら書きました。インターネット上で入力・保存できるので、変更があればすぐ修正や追加ができるのがよかったですね。
職務経歴を記入したことで、これまでの仕事の共通点にも気づけました。全体的に情報を正しく伝えること、正すこと、みたいな仕事を共通してやっていたんだなと思い、職種は違ってもこういう仕事であれば、今後もやり続けたいなと思いました」
「職務経歴シート(様式2)は、これまでの職場を思い出しながら楽しく記載できました。『職務の内容』はスムーズに記載できたのですが、『職務の中で学んだこと、得られた知識・技能等』は在職期間が短かった会社もあるので、迷いながら書きました。インターネット上で入力・保存できるので、変更があればすぐ修正や追加ができるのがよかったですね。
職務経歴を記入したことで、これまでの仕事の共通点にも気づけました。全体的に情報を正しく伝えること、正すこと、みたいな仕事を共通してやっていたんだなと思い、職種は違ってもこういう仕事であれば、今後もやり続けたいなと思いました」
記入の仕方に困ったときは、職務経歴シートを作成するページの下部にある「記入例を見る」というボタンから、多くの記入例を閲覧することができます。ユーザータイプや年代、フリーワードで記入例を検索できる機能を活用し、Bさんは、できるだけ自分の属性に近い記入例を選んで参考にしたそうです。
こうして出来上がった職務経歴シート(様式2)がこちらです。求職、転職する場合だけでなく、職務の内容が変化した際や、経験を積み重ねていく中で新たな学び・知識・技能等を得られた際にも、随時記載してこのシートを更新していくようにすると、キャリアの棚卸しにも活用できます。
Bさんの作った職務経歴シートから抜粋
2.職業能力証明シート(様式3―1、様式3-2)の作成
次に、これまでに取得した免許や資格、学習してきたことなどを可視化して、振り返ることができる「職業能力証明シート(様式3―1、様式3-2)」の作成です。様式3―1では免許や資格、様式3-2では学習歴や訓練歴について記載します。
「様式3-1では、プルダウン式で免許や資格を選択できるので、該当する資格を持っている人は記載しやすいと思います。私の場合は、普通自動車免許や英検2級のほか、大学時代に取得した教職の免許を記載しました。これまでは免許の名称と取得時期しか書いたことがなかったので『免許・資格の内容等』を記載するのは少し戸惑いました。様式3-2は、高校時代からの学習歴を記載しましたが、作成した後に記入例を見て、『内容等』は仕事に結びつけるような書き方をしたほうがよかったかもしれないと気づきました。
大学時代に法学部の刑事訴訟法ゼミでの裁判の傍聴などをした経験を踏まえ、法律の仕事は自分には向いていないと思っていましたが、こうして振り返ってみると、文章の校正をする際に人権侵害やコンプライアンスの部分で、大学で学んだことが役立っていたなと気付きました」
「様式3-1では、プルダウン式で免許や資格を選択できるので、該当する資格を持っている人は記載しやすいと思います。私の場合は、普通自動車免許や英検2級のほか、大学時代に取得した教職の免許を記載しました。これまでは免許の名称と取得時期しか書いたことがなかったので『免許・資格の内容等』を記載するのは少し戸惑いました。様式3-2は、高校時代からの学習歴を記載しましたが、作成した後に記入例を見て、『内容等』は仕事に結びつけるような書き方をしたほうがよかったかもしれないと気づきました。
大学時代に法学部の刑事訴訟法ゼミでの裁判の傍聴などをした経験を踏まえ、法律の仕事は自分には向いていないと思っていましたが、こうして振り返ってみると、文章の校正をする際に人権侵害やコンプライアンスの部分で、大学で学んだことが役立っていたなと気付きました」
様式3-1、3-2ともどんな内容を書くかは自由なので、まずは思いつく限りの内容を書くとよいでしょう。こうして出来上がった職業能力証明シート(様式3―1、様式3-2)の一部を紹介します。
Bさんの作った職業能力証明シートから抜粋
3.キャリア・プラン作成補助シート、キャリア・プランシート(様式1-1)の作成
最後に、キャリア・プランシート(様式1-1)を作成します。こちらは、大事にしたい価値観や興味・関心、自分の強み、将来取り組みたい仕事、働き方などを整理し、短期から中長期のキャリア・プランを明確にするためのジョブ・カードです。
Bさんはキャリア・プランシートの作成に役立つキャリア・プラン作成補助シートも事前に作成しました。
「キャリア・プラン作成補助シートで、久しぶりに自分の性格や価値観を振り返りましたね。特に『自分のこだわり(大事にしたい価値観)に影響を与えた、心に残る経験・出来事』は、これを書くことで、自分は、何が大事で、何が嫌なのかというのを改めて確認できたのでよかったです。
例えば、出版の仕事は好きでしたが、激務で身内のお葬式に出られなかったことがあり、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方を希望するようになりました。一方で、出版の仕事で学び、仕事が早くなったり、立ち居振る舞いが上手くできるようになったりしたおかげで、後に入社した、全く知識がない製薬業界の仕事でも、比較的スムーズに仕事ができたのだと気付かされました」
「キャリア・プラン作成補助シートで、久しぶりに自分の性格や価値観を振り返りましたね。特に『自分のこだわり(大事にしたい価値観)に影響を与えた、心に残る経験・出来事』は、これを書くことで、自分は、何が大事で、何が嫌なのかというのを改めて確認できたのでよかったです。
例えば、出版の仕事は好きでしたが、激務で身内のお葬式に出られなかったことがあり、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方を希望するようになりました。一方で、出版の仕事で学び、仕事が早くなったり、立ち居振る舞いが上手くできるようになったりしたおかげで、後に入社した、全く知識がない製薬業界の仕事でも、比較的スムーズに仕事ができたのだと気付かされました」
Bさんの作ったキャリア・プラン作成補助シートから抜粋
自分が大切にしたい価値観や興味などを理解した上で、キャリア・プラン作成補助シートやキャリア・プランシートを誰かに見てもらってアドバイスをいただきたいともBさんは言っています。
「作るだけじゃなく、私のシートの足りないところをキャリアコンサルタントの方などに教えていただいて、その意見を求職活動に役立てながらブラッシュアップしていきたいです」
「作るだけじゃなく、私のシートの足りないところをキャリアコンサルタントの方などに教えていただいて、その意見を求職活動に役立てながらブラッシュアップしていきたいです」
こうして出来上がったキャリア・プランシートの一部がこちらです。
Bさんの作ったキャリア・プランシートから抜粋
【作成後の感想】細切れの時間でも入力でき、キャリアの棚卸しもできた
Bさんは初めてマイジョブ・カードでジョブ・カードを作成しましたが、わかりやすく使いやすいサイトで、パソコンだけでなくスマホ入力もでき、下書き中の保存ができるので、家事や育児のすきまの細切れの時間に進めることができ便利だったと語ってくれました。幼稚園の送迎の合い間にカフェで入力をすることもあったそうです。また、ぼんやりとしていた働きたい気持ちが、ジョブ・カードに書くことで整理され、不安よりも早く働きたいという前向きな気持ちが強くなったそうです。
「ぼんやりと考えていた『働きたい』が、具体的に書き出したことで時期や求職の方向性についても目標が具体的になりました。4月から就職したいなら何をしなきゃいけないか、自分ができること、好きなこと、嫌なこと、現状などが整理されたので、漠然と年齢やブランクを理由に不安になっていた部分は少し解消されました。早く働きたいという気持ちも強くなっています。
マイジョブ・カードで作った内容はいつでも更新できるそうなので、就職した後にも、今の仕事で何を評価できるか、何を向上させられるか、取るべき資格は何か、働き方をどう変えていくべきかなど、定期的に更新し、見直していきたいです」
「ぼんやりと考えていた『働きたい』が、具体的に書き出したことで時期や求職の方向性についても目標が具体的になりました。4月から就職したいなら何をしなきゃいけないか、自分ができること、好きなこと、嫌なこと、現状などが整理されたので、漠然と年齢やブランクを理由に不安になっていた部分は少し解消されました。早く働きたいという気持ちも強くなっています。
マイジョブ・カードで作った内容はいつでも更新できるそうなので、就職した後にも、今の仕事で何を評価できるか、何を向上させられるか、取るべき資格は何か、働き方をどう変えていくべきかなど、定期的に更新し、見直していきたいです」
今回は仕事復帰を目指しているBさんに作成体験をしてもらいましたが、キャリアにおける色々な節目でジョブ・カードは活用いただけます。
アカウント登録をして作成したジョブ・カードをマイジョブ・カードに保存しておけば継続的に活用いただけますし、転職のタイミングでは履歴書や職務経歴書の自動作成機能も便利です。マイジョブ・カードならオンラインでいつでも気軽にアクセスでき、すぐに使い始められます。あなたもぜひジョブ・カードを作ってみてください。
※今回掲載しているジョブ・カードの内容は、あくまでBさんが初めてジョブ・カードを作成したときの内容であり、記入例ではありません。何を書いて良いか迷ったら、「記入例を見る」のページから自分に合った例を検索して参考にしてみてください。
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ジョブ・カードを作成しよう!
ジョブ・カードを作成することで、自分の強み・弱みや能力に気付くことができ、これまでの経験を踏まえた将来のキャリア・プランとそれに向かってやるべきことが描けるようになります。また、作成したジョブ・カードは就職活動や転職活動でも活用することができるようになります。
マイジョブ・カードのアカウント登録をすると、作成したジョブ・カードを保存し、いつでも修正することができます。
アカウント登録をして定期的にジョブ・カードの見直しや確認を行いましょう。
※アカウント登録後・ログインせずにジョブ・カードを作成した場合、保存するにはダウンロードしたうえ、アカウント登録・ログインしてアップロードする必要があります。
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